「請負開発ヒントPLUS」 ~技術系人材ビジネス経営者向け お役立ちサイト~

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このWebサイトは、技術系人材ビジネスの経営者が経営を進めるにあたって、なにかのご参考になればと考え立ち上げたものです。

技術系人材ビジネスの中でも、特に「社内請負開発」にこれから取り組まれようとされている経営者の方、あるいは、既に社内請負開発に取り組んでこられているが、経営を安定させる方法を模索しておられる経営者のためのサイトです。

まず、技術系人材ビジネスの分類と、このWebサイトの立ち位置についてお話ししましょう。

図1は、技術系人材ビジネスの分類です。

図1 技術系人材ビジネスの分類

技術系人材ビジネスは大きくは2種類、細かくは5種類に分類できます。

大分類は、1.客先に駐在する形で業務を行うか、2.自社内で行うか、に分かれます。

  1. 客先駐在の場合、①派遣契約、②委任契約、③請負契約の3種類があります。
  2. 自社内で業務を行う場合、④請負契約、⑤委任契約、の2種類があります。

①~⑤の5つの分類の中で、自社内で請負契約を顧客と締結して実施する④の開発設計業務に関する経営のヒントを主にこのWebサイトで扱っています。

この分野を取り上げますのは、当社が力を入れている分野であり、経験を以てお話できるということと、業界内では「儲からない」「もうやめた。派遣一本にする」などの声がよく聞こえる分野でもあるからです。

このWebページを運用する株式会社Wave Technologyが、ハードウェア設計を主体とする開発設計会社であることから、ハード受託設計業界の経験から見える景色をお話しします。

ですから、読者の方がそれとは領域の異なるビジネスの方でしたら、当てはまるところと当てはまらないところが出て来るかもしれません。その点につきましては、予めご容赦をお願いいたします。

それでは、本題に入ります。

最初は、開発請負業は儲かりにくいというのは何故か?について、私どもが感じていることを以下でお話します。

1.開発請負業はなぜ儲かりにくいのか?

ここでの「儲かりにくい」ですが、どの会社も儲からなという意味ではありません。 この業界ではよくそのような声を耳にするため、どのようなことが原因となっているのかを、以下に見ていきたいと思います。

少なくとも3つの要因がありそうです。

(1)エンジニアが手すきになる日が結構ある

1つの請負案件をこなせば、間髪入れずに次の請負案件業務の遂行へとシームレスに移行することができれば、自社エンジニアが暇を持て余す(売上が立たない)日は、ないはずです。

ところが、そうはうまくいきません。次に仕掛かろうと思って進めていたお客様との仕様の打合せ期間が長くなってしまい、契約がどんどん後ずれすることは珍しくありませんし、失注でもすればさらに大きな穴が開きます。

ここが派遣契約とは大きく異なるところです。派遣契約が締結されている期間は、エンジニアが仮に手すきになったとしても契約期間中は売上が立ちます(手すき状態が続くようなら、契約終了となりますが)。

なぜエンジニアに、仕事がアサインできていない時間(=アイドル時間)が生まれるのか?
開発請負業にとっての大きな問題は、エンジニアの時間が埋まり切らないアイドル時間が頻繁に発生することです。その時間内は開発設計を行っていませんので、当然ながら売上が立ちません。それではなぜ、アイドル時間が発生してしまうのでしょうか?「受注の絶対量が不足」「時期によるアイドル時間の発生」などが挙げられます。

(2)価格を下げないと受注できない

お客様が想定される金額と乖離があり、見積額が高いという指摘をいただいたら、受注するために値下げを余儀なくされるというケースがあります。とくに相見積もりをされている場合はそうです。

その結果、よくてトントン悪ければ赤字案件となり得ます。

世の中のビジネスシーンとして、値下げ受注はなにも珍しいことではありませんが、人材ビジネスはその性質としてコストダウンが図りにくく、且つ、元々利幅を大きく取ることが難しいビジネスですので、値下げ受注は大きく経営を圧迫します。

なぜ、お客様は値引きを要求されるのか?
何故、お客様は値引きを要求されるのでしょうか。「会社の予算内に収まらない」「競合他社の方が低価格」「お客様の持つ相場観に合わない」「少しでも値段が下がればありがたい」など理由はいろいろあります。開発請負業は労務費が原価の大部分を占める業態であり、値下げ受注は大きく経営を圧迫します。
経営を圧迫するとわかっていながらも、なぜ、値下げ受注してしまうのか?
値下げ受注はによって赤字になるかもしれないのに、それでも価格を下げて受注してしまうのはなぜでしょうか。理由は様々ですが、これを年間を通してずっと続けていきますと、収支は良くてトントン、恐らく赤字になってしまいます。1つ1つの開発案件できちんと利益を出し続けることが、経営安定化には不可欠なのです。

(3)追加注文に対して課金させてもらえない

開発が途中まで進んだところで、顧客から仕様の追加指示を受けることがあります。設計会社側からすれば、その分は追加で課金をしたいところです。しかし、顧客と交わした契約内容は、そこまでの開発内容を含んでいるとの解釈の主張を受けたりして、課金が認められないケースがあります。

「追加注文に対して代金をいただけない」のはどのようなときか?
お客様から開発設計の注文いただいた案件をこなしている最中や設計完了後、追加の業務をいただき、追加料金を請求しても、お客様がそれに応じていただけない場合があります。そのようにならないためには、受注する際の契約内容を充分に検討し、必要に応じ契約の専門家の助言も踏まえて判断しておく必要があります。

 

これら以外にもあるのですが、以上のような主な要因を始めとして、請負開発は「儲かりにくい」構図があります。

ですから、開発請負ビジネスにおいては、この構図の中でどうすれば安定したビジネスに転換していけるかをしっかり考えて実行して結果を見ては改良する、そういうサイクルを作り上げることが大切です。

当社とお付き合いのある開発設計企業の中には、高い利益を出されていて、将来を見据えた投資を継続的になさり、株式上場も視野に入れている業績好調な企業様がいらっしゃいます。

ですから、儲かりにくい構図を見極めて、それに対して工夫を積み重ねれば、着実に経営を安定化させることができると考えます。

次に、開発請負業がどのように成長していくのかを見ていきましょう。

2.開発請負業における、成長ステージの3段階

開発請負業における成長は、図2の3段階で表されます。

図2 開発請負業における、成長の3段階

(1)着手期

まず、一番最初の「着手期」は、これまで請負開発の経験がなかった企業が「初めの第一歩」を踏み出す期間です。過去に経験がない訳ですから、まずどこかにとっかかりを見つけることが必要です。まずはスモールスタートを考える時期です。

請負開発を始める「最初の一歩」とは?
請負開発を初めて手掛けるためにはどうすれば良いのでしょうか?過去に経験したことがないのですから、最初の第一歩の踏み出し方はよく分からないのが当然かもしれません。まずは請負開発の最初の注文を取ることから始めますが、最初は知り合いの会社から小さな仕事を地道に受注し、コツコツと実績を積み重ねていくことが大事です。

(2)拡大期

「着手期」である程度小さな開発案件を着実に遂行できるようになってきた段階で、事業を拡大する「拡大期」に入ります。

この期間は、「1.開発請負業はなぜ儲かりにくいのか?」で挙げましたマイナス要因にしっかりと対応しながら、事業を拡大していくことが肝要です。

必要な量の注文をどのように獲得するのかということと、どのように顧客と各種契約を協議していくのかということが鍵です。

この「拡大期」が安定して運営できるようになりますと、さらに上のレベルの経営を目指したくなってきます。それが次の「質的成長期」です。

拡大期において最も大切なこと
拡大期において最も重要な事は、受注の絶対量が不足しないようにすることです。規模が小さいうちは営業人員を潤沢に抱える余裕はありません。しかし、人がいない中でも、なんとかして受注していかなければ仕事が回っていきません。そこで「農耕型」の営業スタイルをお勧めします。この方法なら規模が小さくても取り組むことができます。

(3)質的成長期

「拡大期」で事業の成長曲線が描けるようになりますと、その成長を続けながら、今度は質的な成長に目を向けるべき時期に入ります。

請負開発は人材ビジネスですので、「事業拡大=人員拡大」という構図が歴然とあります。

しかし、人口が減少する日本で人員を増やし続けるというビジネスモデルを続けることは困難でしょう。

そこで、エンジニア数がさほど増えないことを前提として、会社を成長させるしくみをこの「質的成長期」で作り上げます。

高度なサービスを提供することになりますので、自社のエンジニアの成長がこの期間の前提条件になります。従って、社内教育や自社独自研究開発が非常に重要となりますし、「拡大期」にはなかったビジネスモデルを構築することになります。

「質的成長期」で、特に注目する指標は〇〇や〇〇なんです
ビジネスのやり方を本質的に変えていく「質的」な成長は、社内の技術レベルも経営のレベルも向上し、日々の仕事から得られる満足感が高まるというメリットが得られます。それらは、お客様へのお役立ちの度合いを高めることによって、達成されていきます。注目指標は「一人当たりの売上」や「利益率」です。

 

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掲載画像 ©iStockphoto.com/ by Getty Images
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